相続の経験をまとめます。

老親を亡くした後の手続き、相続のトラブルや様々な経験を通し、知恵をまとめます。記事のリストは上のタイトルをクリックしてください。

(A006)老親を持つ人へ 生前に行っておきたい準備(その1 役所関係) 自分の経験より

(2022.01.16記事修正)(2022.11.03まとめの項追記)

はじめに

親が年老いていく事は止めることはできません。どのように老いていくのかもわかりません。
しっかり者の親が自分のことが出来なくなっていく。

苛立ちます。
やり場のない怒りも出てきます。
本人にぶつけてしまうことも出てくるでしょう。

そんな中、予め手を打っておくことにより、将来起こりえる手間暇を少しでも減らせたら。
その参考にこのブログが役に立てば。

そう考えています。
今回は、老親の生前に行っておきたいことをまとめました。

今回はその1回目、役所関係です。

1.ポイント

 A マイナンバーカードは絶対とっておくこと

理由;親の生前に発生する金融関係トラブルに必要な身分証明書として最強だから。

 B 本籍を親の住民票のある所に移しておくこと

理由;親の死亡後に役所関係の書類取得が一手間減るから。

 

2.具体例

 A マイナンバーカードの取得

親が年老いていくと、印鑑、通帳、キャッシュカードの紛失や、暗証番号忘れは絶対に起こります。その時には子供の所へ助けてほしい旨連絡が来ることが多くなります。

やがて、「またか」となります。しかも連絡は直前に来ます。
これを受けて対応するには平日動くことが多いです。私の場合、妻に頼むことも多くありました。

また、一緒に出向いたとしても、1度手間で済まないこともあります。特によくあったのが身分証明書の不足です。

運転免許証がない人の場合は、何が必要なのかを事前確認する必要があります。しかしそれでも出直し、という経験をすることもあります。

私の例でも何度かあり、結局半日かかることもありました。

金融機関での身分証明書として最強なのがマイナンバーカードです(紙の通知書ではない)。
運転免許証と同様に、これ1つあれば身分証明はOK。免許証がない親の場合、今すぐにでも取得していてもらいたいと思います。

しかし、マイナンバーカード自体をなくすことも十分に考えられるので、可能な限り本人から離すことを考えておく必要があると思います。
実家が近ければ、自分が預かることもできる思います。

しかし、実家が遠い場合はそうはいきません。

そんな時は、地域包括支援センターに相談してみてください。

地域によっては地域包括支援センターで預金通帳などを預かるサービスをしていることもありますので、通帳とあわせてマイナンバーカードも保管できるかを相談するのも一案です。

自分の親の例では、マイナンバーカードの申請はされていたものの、引き取り手続きをしておらず、ずっと役所で保管されていたので紛失は逃れました(この方法もありかも?)。

また、私は、両親がキャッシュカードの暗証番号を忘れることが目立つようになってきた時点で、通帳と印鑑を実家から自分の家に隔離し、親による紛失を防ぎました。

 B 本籍の移動

前もって親の住民票と本籍地の市区町村を一致させておくと、「全部事項証明書(除籍)」が短期間で取りやすくなり、忌引休暇中に済ませることができ、別途新たな休暇を取る必要がなくなります。

親の死後に様々な手続きを行う際、死亡したことを証明する書類が戸籍の「全部事項証明書(除籍)」です。これが死後のあらゆる手続きの際に必要です。
この書類に意味と取得については記事番号A008を参照してください。

 

 

3.まとめ

・運転免許証がない人には、マイナンバーカードは最強の身分証明書となります。
・前もって親の住民票と本籍地の市区町村を一致させておくと、「全部事項証明書(除籍)」の一部が短期間で取りやすくなります。

両親、特に免許証のない人にはマイナンバーカードは必須です。すぐに取りましょう。

住民票と本籍地を一致させることについては、人により様々な考えがあって簡単にはできないかもしれませんが、上記のメリットがありますので、検討してみてはいかがでしょうか。
マイナンバーカード取得、住民票と本籍地を一致させることについては、自分たちも進めたほうが良いかと思います。

 

(2022.11.03追記)

親が亡くなった場合には、亡くなった事とその他多くの事を親戚へ連絡をしなければなりません。
その時の連絡先はまとまっているでしょうか。
親に聞いて入手しておきましょう。
自分の場合は、親がまとめてありました。

老親が亡くなってから名簿を探す事が、手間と時間のロスになる事は想像できると思います。名簿がなければ年賀状を探し出してから連絡をすることも考えられますが、漏れが出ると思います。


今のうちにリストを親からもらうか準備しておきましょう。
無いようなら、古い年賀状を丸ごともらっておくのも手かもしれません。

 

4.最後に

今回は、生前に行っておきたい事の1回目としてまとめました。
これらは親と話し合い、納得してもらったうえで行う話であることは言うまでもありません。

自分の例では上記のポイント2個はすでに行われていました。諸手続きを1回経験した者として、これらは重要と感じましたので記載しました。

実家が遠い場合は難しいことがあると思いますが、タイミングを見て少しずつ進めていってもらえたらと思います。

以上参考になれば幸いです。

 

おまけ

ここで下記の本を紹介させてください。「相続で絶対モメない遺産分割のコツ 言葉・空気・場の読みまちがいが命取り!」という本です。

メインは遺産分割協議についてですが、老親が「亡くなる前にできる事」も書いてあります。将来相続に関わる人の入り口としてお役に立てるものと確信しております。よろしければこちらから。

また、この本を説明した記事もありますので、そちらも参考にしてください。

 

 

※このブログの記事について、読んでいただきたい順番(カテゴリ毎)にリンクを並べたページはこちらです。こちらを起点として各記事をお読み頂くとよいかと思います。

 

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