相続の経験をまとめます。

老親を亡くした後の手続き、相続のトラブルや様々な経験を通し、知恵をまとめます。記事のリストは上のタイトルをクリックしてください。

(B001)親が亡くなった後の銀行手続きやる事と注意点 経験より

(2022.11.03 項目2-D追記)

今回は、親が亡くなった後の財産調査と金融関係手続きの時に知ってほしいことをまとめます。

 


死亡届けが終わると、次は故人の財産調査に進みます。A010を引き続き調査する必要があります。

生前に進めておくことはなかなか難しかったでしょう。ここから本格的に進めましょう。

相続税申告期限は死亡後10か月です。長いようですが、分割協議まで終了させる場合、調査にあまり時間をかけてはいられません。
この調査をなるべく効率よく進めるために、私の経験が役に立てばと考えています。

※手続きの全貌や個々の詳細は、書籍で確認してください。ここは、あくまでも私が経験したことより気付いたことのみ書いています。

 

1.ポイント

 

A 故人の財産で調べるものはA010を参照。

これを調査して初めてどこに手続きを行えばよいかがわかり、次に進める。


B  銀行へ届ける際は、「代表相続人」を決め、その人が行う。代表相続人は長男長    女、残された親にこだわらず、適任者とすること。


C 銀行に届を出すと、故人の口座がこの時点で凍結される(私の経験では)。


D メガバンクへの届け出はスムーズにいかない場合がある


E 財産調査を銀行に依頼した場合、その結果を受けるのは代表相続人だけとなる。

妻などが結果を聞くには委任状やその他書類が完璧でないと不可能。


F 銀行に故人の口座があるか否かは電話で教えてくれる。ただし、詳細は教えてくれない。


G 公共料金などの引き落とし手続きは後回しでもよい

 

2.具体的説明

 A 故人の調べるもの

 

A010を参考に実家を調査してください。生前出来なかった調査を大々的に展開してください。特に親が認知症だった場合、あらゆるところにしまい忘れたものが潜んでいるかもしれません。これを調査して初めてどこに手続きに行けばよいかがわかります。


私の場合、後から定期預金通帳が見つかりました。この口座は普通預金とつながっていたので、すでに調査済みだったので、安心したことがあります。しまい忘れが発見できない場合は、やがて国庫行きとなるのでしょう。

 

 B 銀行の届出、「代表相続人」の決定

 

銀行へ届ける際は、届け出やその後の手続きを行う代表者を1人を決め、その人がその後のすべての手続きを行うことになります。
これを「代表相続人」と言い、相続人の中から選びます。


私が思う、「代表相続人」の必要条件は、法的なことは当然ですが、さらに以下が重要と考えます。
  ①法律などを理解できる人
  ②対外的に整った話ができる人
  ③財産の集計、表計算ができる人
  ④その後数年は入院や体調不良を起こしにくい人
  ⑤財産の独り占めを企んでいない人

長男長女、残された親である必要はありません。
いい加減な人、銀行等の話が理解できない人、数字まとめが苦手な人が銀行等の窓口になると、誤解や間違え、抜け、機転が利かないなどのデメリットが発生します。


私の兄の場合がまさに不適任でした。保険会社へ勝手に父が死亡した旨連絡したはいいが、必要な書類が揃わずに保険会社に行く、しかもアポイントも不明確で保険会社の人はいきなり来たと慌てさせる。そんな人物でした。


これはひどい例かもしれないが、長男であるからとこの人が金融機関の手続きの頭だったら、取り返しのつかないことになりかねない、また、いつまでも進まないことは誰もが予想できると思います。
長男だから、などの理由で選ばず、適任者を選ぶこと。

そうでないと、無用なトラブルが頻発するだろうし、結果、自分でもできることまで専門家に依頼し、手数料をたくさん取られることになる可能性があります。


また、老親を代表相続人とすると、協議が長引いた場合、終了するまでに体調を崩して手続きに行かれない、認知症となるなどのリスクが考えられます。

できれば代表相続人を親にしないほうがいいと思います。

 

以上の理由で、最初から私が率先して代表相続人になりました。
司法書士等の専門家にも当然任せることもできます。しかし私は自ら把握したため、専門家に任せた際のやり方や費用は分かりません。

 

 C 口座の凍結

 

死亡届を出すと、銀行は故人の口座を凍結します。「それは故人様の口座を凍結致します」という銀行員の発言を聞きました。

その後、銀行からその後の手続きの案内と振込指示書を渡されます。振込指示書は、完成された遺産分割協議書に基づいた振込金額を記入して提出します。これには全員の実印押印や諸書類が必要です。

これができて初めて分割された遺産が相続人の口座に入ることになります。

私はもうすぐ1年になろうとしている今でもこの書類を出せていません。 分割協議終了まで長い道のりは未だ終わっていません。

 

 D メガバンクへの届け出

 

銀行に届け出を出そうとしてネットで調べると、口座のある支店の相続担当の人へ届け出するように指示がありました。

しかしメガバンクの紺色銀行の場合、この人とのアポイントがなかなか取れませんでした。しかし、銀行の窓口(口座はないが比較的空いていそうな別の支店)に直接出向いたら、窓口で手続きできました。このような動きも時には必要です。

 

(2022.11.03 追記)
上記のように別の支店へ死亡届の手続きしたためだったのか、みずほ銀行経由で契約していたみずほ信託銀行の口座については死亡の連絡はが行っていなかったことが後に判明しました。通常は連絡が行くとの事。

同様な事例の場合は、届け出後に電話で確認することが必要なようです。

 

 E 銀行の調査結果の受領

 

個人の口座情報は、代表相続人以外には教えないことは厳密に守られていいて、財産調査の結果を聞くのは代表相続人だけとなります。

他の人が結果を聞くには委任状やその他書類が完璧でないと不可能です。

私の場合、銀行等への調査依頼の届け出までは妻にやってもらい、結果は私が聞きに行くことなりしました。


参考 私の妻が調査結果を聞こうとする場合の必要書類(銀行への聞き取り結果)


・委任状 定められた書き方であること
     代表相続人、委任された人両方の実印押印
・上記の人の印鑑証明

 

 F 口座の有無問い合わせ

 

通帳などを紛失したけれど多分口座がある、または通帳等がないが故人の口座があることは分かっているので調べたいという場合、銀行は電話することで有無を調査してくれます。故人の名前、生年月日、住所で調べます。1つの銀行ごとに1支店でOK。支店ごとに調べる必要はありません。

しかし口座の有無だけ教えてくれるだけで、それより詳しいことは教えてくれません。
ここで注意すべきことは、教えてくれるとはいっても、M銀行に問合せてその銀行の口座の有無は分るとして、同じグループのM信託銀行、M証券などはどこまで調べてくれるかは必ず確認してください。


私の例ですが、故人が取引のあったM銀行に問い合わせた時、Mグループの他の金融機関(M証券など)に口座がないかを問い合わせた結果、故人の口座はないとの回答であったが、M証券に少額の口座が残っていることが後日実家に来ていた書状で判明したことがあります。

私の聞き方が悪かったのかもしれませんが、こういうことがあるので、積極的に確認してください。

 

 G 公共料金の引き落とし

 

公共料金の引き落とし先変更は、とりあえず後回しにしてもいいでしょう。なぜなら、窓口に行かなくても、引き落としできない旨連絡が来るでしょうから、それに従って忘れずに手続きすれば十分だと思います。


なお、固定資産税は、不動産の相続先が決まれば自動的にその人へ請求されます。

未決の場合は、10月ごろになると役所から次年の固定資産税の請求先の問い合わせが来ますので、それで手続きできます。


誰が払うのかで揉めることもあるでしょうが。。

 

3.終わりに

 

今回は遺産分割協議の準備である銀行への届出をまとめてみました。

ここに書いていないが行わねばならないことも当然あります。

法的な事も含め、必ず書籍を参照してください。


遺産分割協議は代表者の負担が大きいです。少しでも楽になるためにこの記事がお役に立てますように。
財産調査については、可能な範囲で生前から始め、また、他の人たちの助けを借りましょう。
できれば忌引休暇中に少しでも進めることができますように。

 

おまけ

ここで下記の本を紹介させてください。「相続で絶対モメない遺産分割のコツ 言葉・空気・場の読みまちがいが命取り!」という本です。

メインは遺産分割協議についてですが、老親が「亡くなる前にできる事」も書いてあります。将来相続に関わる人の入り口としてお役に立てるものと確信しております。よろしければこちらから。

また、この本を説明した記事もありますので、そちらも参考にしてください。

 

 

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