(2021.09.13記事全面更新)
1.はじめに
私は、相続がきっかけで初めて司法書士という職業の人と話をしました。
司法書士という人と接点を持ったことがある人は、少ないのではないでしょうか。
ネットでも、「まずはご相談下さい。」などと書かれてはいますが、どの程度まで可能なのかがわからなくて、そして費用もわからなくて、相談さえも躊躇する人もいるのではないでしょうか。
相続についての私の経験から言えることは、「最初から司法書士に相談の上進めればよかった」でした。
その理由を以下にまとめます。
- 1.はじめに
- 2.ポイント
- 3.具体的説明
- A 分割協議の案作成
- B 司法書士による作成した協議案の説明
- C 法的なチェック
- D 司法書士に依頼した場合の費用
- E 司法書士は実家の地元がいいかも
- 4.司法書士へ依頼の経緯について
- 5.まとめ
- 6.参考 税理士への依頼
2.ポイント
※あくまでも自分が相談した司法書士Aの例です。
A 分割協議の案作成において、第3者的なアドバイスをしてくれる
B 法的な交渉役ではないものの、交渉相手に対し、作成した協議案の説明をしてくれ、相手の意見も聞くことをしてくれる。
C 法的に間違えがなくなる。
D 費用(私の事例)は、登記終了までで25万円(追加費用なし)と言われた。
E 依頼は、地元の司法書士が無難な場合がある。
3.具体的説明
※以下はあくまでも自分が相談した司法書士Aの例です。
A 分割協議の案作成
司法書士という人は、遺産分割協議に一切加わらず、まとまったものを清書し、登記に必要な書類を揃えるだけかと私は思っていました。
そのため私は、亡父の資産調査、全部事項証明(戸籍謄本)取得などを自分で行いました。
その後に司法書士Aに出向き、遺産分割協議書と不動産の相続登記の作業を最終的に決まったら実施してもらうように依頼しました。
その後兄弟間だけの協議で行き詰まった時に、司法書士へ改めて相談したところ、以下の事をしてもらえました。
- 分割協議の案について、第3者的な視点から意見をもらい、案の修正のアドバイスをもらった。
- 家屋の処分等に必要な費用(記事番号A010の項目1-C.Dに関連する費用)について、一般的に妥当な金額を教えてくれた。
- 交渉の時に相手に言ってはいけない言葉の指摘を受けた。
以上より、方向性や進め方など最初から司法書士に相談できるようであることがわかりました(司法書士個人や各事例により、どこまで、どの程度まで可能かは差はあるでしょう)。
ちなみに、私が記事番号D009(下記リンク)で紹介した本の著者の司法書士(しかも相続専門としている)もアドバイスを行っています。
B 司法書士による作成した協議案の説明
法律上では、遺産分割協議で関係者間の間に立って交渉できるのは弁護士のみです。
しかし法的な交渉役ではないものの、司法書士Aは私たちの間に立ち、私が作成した協議案の説明を兄に行い、それについて兄の意見を聞く作業を行ってくれました。
この時私は同席せず、司法書士と兄だけで行われました。
A、Bで述べたように、遺産分割協議の話し合いで第3者が適切に入ることは、解決のためには重要と考えます。
当事者のみの遺産分割協議の話し合いで、どこまで冷静を保てるでしょうか。
もちろん司法書士は、法的な交渉役ではないので、限界はあります。
加えて、司法書士により技量の差はあるでしょうから、あくまでも司法書士の善意と考えなくてはいけないと思います。
私の事例では司法書士による解決はできませんでした。
C 法的なチェック
一連の手続きに間違えがあってはいけないため、司法書士Aはこの案件について独自の確認作業を行っていたようです(推測)。
今から考えてみれば、素人が集めた資料だけで遺産分割協議と相続登記が完璧にできるとは限らないと思います。
司法書士Aからの請求書明細に印紙などが含まれていたので、どのような事を調べたのかを知りたかったのですが、途中で依頼が打ち切りとなったので聞くことはできませんでした。
D 司法書士に依頼した場合の費用
司法書士Aは、最初に依頼した時に、私の事例では、登記終了までで25万円(追加費用なし)と言われました。これに至るまでの相談などでの費用もこれに含まれるとことでした。
しかし私の事例では、司法書士Aの力では解決することができなかったので、依頼を打ち切りられました。 ここまでの費用は 3万円でした。
E 司法書士は実家の地元がいいかも
自分の実家の物件は、建屋と土地の他に私道負担が20個以上ある物件です(自分は今回はじめて知った)。
司法書士Aによると、事情を知らない司法書士がこの私道負担を登記漏れしてしまう事例を見たことがあるとの事でした。
また、不動産価値の算出の際に、路線価に一定の倍率をかける場合もあるようで、ここを間違えると相続税に影響する可能性があります。
よって、該当物件がある地元事情を知る司法書士に依頼したほうが間違えがないかもしれません。
その他
上記の経緯のため、亡父の資産調査、全部事項証明(戸籍謄本)取得などを司法書士に依頼した場合の料金などは不明です。
4.司法書士へ依頼の経緯について
私は実家の町にある司法書士に協力を依頼しました。
選んだ理由は その司法書士が 中学時代の 同級生であったからでした。
そのくらいしか司法書士の知り合いはいませんでした。
(ちなみに向こうは私が同級生であることは知らなかった)
司法書士の知り合いなど、たいていはいないでしょうから、ネットで探すか、司法書士会に紹介してもらうくらいしか方法はないと思います。
自分は利用しませんでしたが司法書士会による無料相談もありますので、財産調査開始とほぼ同時に司法書士へ相談を開始するのが良いかと思います。
5.まとめ
遺産分割協議を仲立ちできるのは、法的には弁護士だけですが、司法書士もある程度は協力してもらえることを今回の経験で初めて知りました。
司法書士に一旦相談し、
その上で自分たちでやれる事、
司法書士に頼むこと
を最初に整理し、
必要額を明確にしたうえで実行するのが良いのではないでしょうか。
最終的には不動産の登記を司法書士などに頼むでしょうから。
今回はここまでです。
遺産分割協議を始めるにあたり、以上の経験が何かの参考になれば幸いです。
6.参考 税理士への依頼
私の事例の中で司法書士Aと話をした中で分かったことを書いておきます。
私の事例が、司法書士の手に負えないと宣言された際に、こんな会話がありました。
私:次の解決策として、自分の案件を税理士にも相談したい。誰か紹介していただけないだろうか。
税理士に相続税がかかるか否かを確認してもらった上で、分割協議の仲立ちをしてもらいたいので。
司法書士:(私の事例については)相続税がかからない案件なので私からは紹介できません。
以上より、税理士は、相続税が発生するぐらいに財産を持った人しか依頼を引き受けない事が推測されました。
遺産分割協議の指南として、よろしければこちらを。
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