相続の経験をまとめます。

老親を亡くした後の手続き、相続のトラブルや様々な経験を通し、知恵をまとめます。記事のリストは上のタイトルをクリックしてください。

(D011)後見人となった司法書士との打ち合わせ(その2 協議の方針、不動産共有はする?他)

前の記事(D010)の続き(その2)です。

 

4.後見人への質問


 Q1;遺産分割協議における母の部分について、基本的考え方を教えて欲しい。


A1;財産の2分の1 (法の原則)以上の配分は絶対となる。
母が得る財産の種類は現金を主張する。理由は以下。
グループホームに入っているので、母は今後も何らかの処置等(施設に入り続ける)が必要。
・事実上家に戻ることはないと判断できる。母にとって、もはや家は不要。
・よって今後一番必要となるのは現金となる。

 


 Q2;不動産を共有させる結果となる事はないのか?


A2;ない。不動産の共有は後にトラブルを必ず生むため、一人に相続させる。Q1より、母に不動産を所有または共有させない。

なお、遺産分割協議の内容について(母の部分)は、後見人が裁判所へ報告し承認が必要となるとの事。母に不利な結果とならないように裁判所が監視するのが趣旨と考えられます。

 

 Q3;母の衣類等を購入した代金の立て替えの清算はどのようになるのか。
よくネットの記事では一切払い出しに応じないと言う例はあるが。


A3;母からの口座からの払い出しにするか、子供(私たち)の自腹とするかは、どちらでも構わない。


司法書士より母の衣類品購入などでの払い出しは可能だと確認できて安心しました。


私の立て替え分は、たまり次第後見人に渡し、清算することとしました。
こうした理由だが、今までに私は母の衣類を購入している一方、兄は母への処方薬の購入と、特定の病院へ母を連れて行って診療を受けさせることを行っており、これらの代金をそれぞれが立て替えています。

そのため、兄弟間で立て替え金額の差が発生し、遺産分割協議時にトラブルになる可能性があると考えたからです。

 

※本来母は、グループホームへの訪問医の診療だけで、あえて他の医者に連れ出す必要はありません。
しかし兄は、過去から通う医者に連れていく事に一貫して固執しています。

世間はコロナ感染が広がっているさなかに、理解できない行動を兄は続けています。

私、そして、グループホームの訪問医が、その行為は不要であると言っても兄は継続しています。

だが、この兄の行為をグループホームは、ある理由でそれをやむを得ないと考えています。その理由は、将来可能であれば書こうと考えています。


 Q4;後見人への報酬はどのようにして決まるのか。ネットでは月額いくらと書いてあるが。


A4;名言なし。年間の活動の内容と量で裁判所が決めるとの事。


ネットでは、後見人の報酬の月額が例示されている。その記事は、年額を平均化したものと私は推測します。
後見人によると、後見人は月々に裁判所に活動報告を提出、そして1年間の活動内容により裁判所が報酬を決定するとの事でした。

報酬申請は、被後見人である母の誕生月で年を区切るとの事。

 

 Q5;後見人の申請から後見人決定の審判まで約1ヶ月。日数はこんなものなのか。


A5;この事例では、事情があり日数がかかったほうである。私の事例では当初なり手がいなかったため。


司法書士の間で後見人を選定するときの仕組みは以下とのこと。
司法書士の中にリーガルサポート会員と言う司法書士の集まりがあり、成年後見について研究しているそうで、その中から後見人は選任される。
・後見人の選任申し立てにより、裁判所が後見人は司法書士が妥当と判断すると、リーガルサポート会員への依頼となり、なり手募集の通知が出される。
・しかし、私の案件の場合なり手がいなかったそうだ。
・今回私の母の後見人となった司法書士の所にも1回目のなり手募集の通知が来たが、手を挙げなかっとの事。

しかしだれもなり手がいないようで、2回目の募集が行われ、今回後見人となった司法書士が手を挙げたとのことである。

 

ネットによると、司法書士への報酬は被後見人の財産額により変動するとの記載がある。

それによると、財産が多ければ報酬は高くなるなので、私の事例は、世間から見ると財産が少なかったのだろうと私は推測した。

 

5.後見人への依頼事項


母の給付金手続きを依頼。また、兄の件の説明を行おうとした。

依頼1;年金生活者支援給付金の手続きをお願いしたい。
結果1;後見人に了承された。

父の死後の年金手続きの際に、年金生活者支援給付金について案内があった。
私の事例では、そのためには、住民票を兄と分ける必要があるとの事。
(この制度の詳細は、ここでは記載しません。書籍等を参照ください。)


住民票を兄と分けた場合、兄が払う社会保険料にも変化があるかもしれないので、兄の同意が必要と考えられる。その上の手続きを後見人にお願いした。


依頼2;兄が立替金を今からまとめるように促して欲しい。
兄が亡父の医療費などを立替えている。分割交渉の時に、立替金の総額も考慮に入れる必要がある。その集計を今から始めておくと、交渉の期間が節約できると考えるため。

結果2;できない。
交渉に影響する事は言うことはできない。何らかの原因で不利になることもあり得るため。

 

依頼3;弁護士へ説明した兄の事情について、司法書士にも説明しておいたほうがいいか?
結果3;聞かないことにする。依頼2と同じく、交渉に影響するかもしれないため。

 

※依頼3を拒否する理由が後に大きい意味を持つことが分かりました。その理由は、この問題が終了した時に書きたいと思います。

 

6.ここまでの後見人や弁護士とのやり取りから推測されたこと

後見人によれば、もし、後見人選任を申し立てる(私の事例=対象者の親族を候補にする場合ではない)際は、事前に候補者を決め、申し立て資料にそれを記入すれば、ほぼその人に決定されるので、選任に要する期間が短くなるとの事。

つまり、後見人の選任を早くしたいならば、初めからリーガルサポートに加盟している司法書士に事前に後見人を引き受けてもらうことを依頼し、その人を候補者として申し立てを行う方法がベストと考えられる。

一方、弁護士との話の中で、「私の後見人は、母の衣料費などの立て替え金について、払い出しに応じてくれる」と話をしたところ、「その後見人は当たりだ」との発言があった。
つまりこれは、よくネットの記事で見られる、一切払い出しに応じない後見人は今でもいる事を意味する。

以上を総合すると、以下の事が推測される。

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被後見人に関する立て替え金の払い出しについて応じてくれる後見人を選任したいならば、初めからリーガルサポートに加盟している司法書士に、
①後見人を引き受けてもらうこと
②被後見人に関する立て替え金の払い出しについて、応じてくれるかを確認する
③以上が可能な司法書士を候補者として申し立てを行う
このようにすれば、「当たり」の後見人を付けることができることになる。

私の経験から以上のことが推測されました。現実可能であることは私は確認できませんが、やってみる価値はありそうです。

なお、リーガルサポートに加盟している司法書士は、都道府県の司法書士会に問い合わせれば紹介してくれるとの事です。

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7.おわりに

遺産分割協議をまとまり方で最悪なまとまり方の1つに、不動産の共同所有があります。

しかし後見人からその可能性が低いことを知り、安堵しました。自分が住まない、使わない不動産を共同or単独で所有することは自分にとって何の得にもならないことは皆さんにもわかると思います。

しかし、この方針は、別の後見人だと方針が全く違うことはあるのでしょうか。後見人にいつか聞いてみたいと考えています。

私は不動産の共同所有を想定してある調査を行っていましたが、今後考えなくてよいようです。

この「ある調査」とは何なのか。機会があれば書こうかと思います。

 

いろいろ書きましたが、同じような境遇の方に少しでも参考になれば幸いです。

 

そもそもの目的である遺産分割協議は現在(2021年10月)になっても一向に進んでいません。

進捗はこんなペースなのでしょうか。

何に時間がかかっているのでしょうか。

いつ決着するのでしょうか。

今は分かりません。