相続の経験をまとめます。

老親を亡くした後の手続き、相続のトラブルや様々な経験を通し、知恵をまとめます。記事のリストは上のタイトルをクリックしてください。

(D013)遺産分割協議をする事になったら誰に相談すればよいのか

はじめに

親が亡くなり、葬儀などを済ませ、いよいよ遺産分割協議を進めることになった場合、何をどのようにしたらよいのか。わかるわけがありません。

全て自分で行うか
最初から誰かに任せるか。
任せるとしたら、司法書士か。弁護士か。税理士か。
迷うでしょう。自分もそうでした。

その後まさにいろいろ失敗し、このブログを書いてきましたが、相続に直面した人が一番知りたいのはタイトルの通り、「遺産分割協議をする事になったら誰に相談すればよいのか」ということではないでしょうか。今回はこれを書きます。(一部記事D006と重複します)

 

1.いきなり結論です

結論から言えば、最初から司法書士に相談が良いと思います。相続する不動産がある場合は、必ずお世話になりますし、ない場合でも諸手続きの時に心強いです。
財産が多く、相続税が気になる人でも、司法書士から税理士につながっていくと思います。
遺族間で明らかに仲が悪い中で協議を進めていくようであれば弁護士になると思います。

私の事例では、不動産以外にも預金がありましたが、相続税がかからない程度の財産でしたので、書籍とネット調査により自分で協議を進めようと考えました。
そしてその後失敗しました。
今までの記事で述べてきた困難を経験する中で、自分がしていた協議は所詮は素人作業だということがわかってきました。
自分の場合、決定的なダメージは起っていませんが、知らなかったが故に自分や遺族全体が損をすることは十分ありえるものだと思います。
それなりの費用が掛かりますが、もっと大きな損を避けるためには必要なものだと考えたほうが良いと思います。

2.司法書士ができる範囲

司法書士は、遺産分割協議の前提条件を間違いなく整えてくれます。
しかし、遺産分割協議を具体的に進める段階では、司法書士ができることは以下となります。
※自分が相談した司法書士の場合です。人により、どこまでやってくれるのかは異なる可能性が大です。

 ①遺産分割協議案の作成


相談者の意向に沿って作成。その際、司法書士の経験上からの視点で相談者の考えだけでなく、協議対象者たちのバランスを考慮してくれる。

 ②遺産分割協議案の提示を司法書士が説明する


協議の始めに協議案の内容と、それを決めた理由を、司法書士が説明することにより、関係者が冷静に聞くことができ、最初からこじれることを回避する。

これらは心強いのですが、あくまでも相談者の意向を実現するための手助けをするまでとなります。
司法書士によっては遺産分割協議の解決をかなり強力に手助けしてくれる人も(記事番号D009で紹介した本の著者)いますが、実際に依頼する司法書士の力量や見解によると思います。
法的には遺産分割協議の関係者間に立って交渉し、解決させる事は法律上できません。これができるのは弁護士だけです。

 

3.司法書士をどう探すか

では自分にあった司法書士はどこにいるのか。これが1番悩むところです。
ネットには山ほど広告がありますが、誰でも良いというわけにいかないでしょう。

自分の場合は、会社の人で最近親を亡くした人へなんらかの専門家を紹介してもらえないか聞き回りましたが、依頼できそうな人はいませんでした。
しかし、たまたま中学時代の同級生が司法書士をしていたのでその人に相談しました。その人の良し悪しはともかく、それくらいしか手がありませんでした。

また、記事番号D011で書きましたが、成年後見人となった司法書士の考え方は人により大きく異なるようなので、遺産分割協議の相談の時もどのようになるのか、どのくらいの手助けをしてくれるのか予想できません。やはり経験者である知り合いの紹介があると安心でしょう。

 


また、記事番号D006に書きましたが、相続対象となる不動産のある地元の地域事情を把握していないと間違えが起ることがあると司法書士から聞きました。これはまれな例でしょうが、不動産価格なども地元に人が詳しいでしょう。
こう考えてくると、相続対象となる不動産のある地元の司法書士であるとベター、知り合いの紹介があればベストになるかと思います。

 

4.弁護士に頼むと確実ではあるが角が立ちやすいかも

遺産分割交渉を弁護士に頼んだ場合はどうなるか。
大抵の場合、交渉相手は心証的に角が立つと思います。
先程紹介した本では、「弁護士に頼む場合は、その後その人たちとは縁を切ることになる」と書いてあるくらいに交渉相手にはインパクトがあります。事前に相当な説明なしに突然弁護士から連絡が来たら心象的に角が立つことになるでしょう。

しかし弁護士は、依頼者の人の利益を最大限に実現するために交渉に臨むので、依頼者の利益は最大になっていくでしょう。
私は弁護士を代理人とした交渉を進めています。この進め方は、私の考えていた進め方とは大きく違う「弁護士特有の交渉方法」で事件(法律用語ではこう言う)を進めています。この進め方の考えは、私には思いつきませんでした。
ここでいう「弁護士特有の交渉の方法」と言うのは、今は具体的に記事にできませんが(現在事件進行中のため)、解決後には書こうと思います。

5.最後に

遺産分割協議を進める際に、ネットや書籍で遺産分割協議に必要な知識を自分で得て、資料を揃え、交渉していくことは理論上可能でしょう。
しかし、やはり素人なことは確かです。費用は掛かりますが、そこは安心料と前向きに考えるほうが良いと思います。
今までの記事であれこれ散々書いてきましたが、自分の事例において今になって振り返るとそのように感じた次第です。

相続を自分中心になって進めるのは結構つらいです。脇で見ている妻も困難を見て調子が悪くなっています。そんな弊害もあります。

 

人により事例背景は違うでしょうが、どなたかの参考になれば幸いです。

 

※このブログの記事について、読んでいただきたい順番(カテゴリ毎)にリンクを並べたページはこちらです。こちらを起点として各記事をお読み頂くとよいかと思います。

 

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