相続の経験をまとめます。

老親を亡くした後の手続き、相続のトラブルや様々な経験を通し、知恵をまとめます。記事のリストは上のタイトルをクリックしてください。

(A011) 共有名義不動産のリスクを避ける方法 「中央プロパティー」さんへ相談した経験より

1.はじめに

相続の結果、不動産を相続することは多いかと思います。希望通りの物件が取得できれば幸運ですが、その逆もあるでしょう。取得にあたり、不動産が他の人との共有名義になってしまうことがあるかもしれません。
今回は不動産の共有名義について書いてみようと思います。

 


2.共有名義について

相続に限らず、不動産を取得する時になるべく避けたいのは、不動産を共有名義とすることです。売却するときにすべての名義人の承諾が必要など、制約が大きいためです。
相続で例示するとデメリットは以下になります。

  • その物件に相続人の一部の人が住んでいるが、住んでない人が売却したいと望む時、全員の承諾が取れるか疑問
  • その物件にかかる固定資産税は(住んでいなくても)持ち分に応じて負担するのが原則である。
  • その物件に何らかの法的責任が発生した場合も同様。
  • (私の想像)仮に収益性がある物件だとしても、収益の配分の時に誰かの欲や考え方の相違により揉める可能性がある。

 

私の遺産分割協議の相談先であった司法書士Aからは、「遺産分割協議で審判になっても、法の原則通りに分けられて終わりです」という発言がありました。
もし預金のように実家も法の原則通りに分けられて共有名義になってしまったら、解決方法はあるのかと不安になり調べていたところ、「あぶない!!共有名義不動産」という本を見つけ、早速購入しました。

そして、この本の著者が代表である「中央プロパティー」さんに相談に行きました。

3.相談でわかった事

相談の結果わかったことは、「1つの不動産が共有名義となっている場合、自分の持ち分だけを売却等行うのは法的には問題がない。」ということでした。「中央プロパティー」は、この売買を専門する会社です。

私の事例では、実家の価値は低く、共有名義人の中に認知症の人がいるため、仮に私の持ち分を売りに出しても、市場価値はなさそうという見解でした。とはいえ、売却額を期待しない、またはいくらかの金額を私が支払えば法的に自分の手から離すことができることが確認できました。

上記の本を読むと、共有名義は将来いろいろな面倒なことが起こることがわかります。今自分たちが住んでいる家を取得する際に、共働きなので一軒の家を夫婦で共有持ち分にしている等の場合は、何らかの対策をしなければ将来(死亡、離婚など)大変な問題になってしまうことがわかります。参考まで一読してはいかがでしょうか。

4.私の事例 その後

その後弁護士と成年後見人と遺産分割協議の方針を決めていく中で、不動産は共同所有にさせないという方針と決まり、不動産のが共有名義になる可能性が低くなりました。
このままでいけば私の事例ではこの会社と縁はなさそうです。

もし皆さんの中で共有名義物件を持っている人、またそれを手放したい人はこのような方法もありますので、参考になればと思います。

 

5.まとめ

不動産の共有名義について以上書いてみました。

相続によって不動産を共有名義にすることは避けることを考えてみてください。

  • 法的な責任を負うことになる。
  • 金銭的な負担が起こる場合がある。
  • よって、自分が積極的に活用する気がない時は避けたほうが良い。

また、相続以外の時も、不動産の共有名義は大きな問題が発生があることを、今すぐ対策が打てないとしても認識しておく必要があります。

以上、参考になれば幸いです。