相続の経験をまとめます。

老親を亡くした後の手続き、相続のトラブルや様々な経験を通し、知恵をまとめます。記事のリストは上のタイトルをクリックしてください。

(C003)親のお墓を永代供養墓にした経験まとめ

はじめに

 

葬儀が終わると、続いて四十九日法要、その後埋葬と進んでいきます。今回はこの部分(私の事例)を書きたいと思います。

今回も教訓はありません。

また、各家で様々な考えがあるかと思いますので、「こんな事例もある」と参考になる方がいましたら幸いです。

 

 

1.四十九日法要

 

この儀式で白木の位牌から正式な位牌へ、また、用意する小さな仏像に魂を入れてもらいます。


葬儀と同じ葬儀場で行い、会場費用は15万円でした。


この日の参列は、葬儀と同様に5人(母、兄、私の家族3人)でした。式後の会食は省略しました。


坊さんは葬儀と同じとしました。お布施は7万円でした。参考まで、葬儀のお布施は35万円でした(戒名代金含む)。


この日までに位牌と仏壇を準備する必要があります。私の実家は仏壇がなかったので、新たに仏壇屋で手配しました。


自分の場合、葬儀屋おすすめの高価格帯の店に行くことになり(ここでも兄の兼ね合い。記事番号C001参照)、総セット25万円を超えました。これでも安いほうでした。


これを選ぶのも葬儀の仕様と同様で、価格帯が自分に合いそうな店を選びましょう。これは予め数件の店を調べればわかるはずです。
後に知ったのですが、仏壇は、ニトリでも扱っている(現代風なデザイン)ので参考まで記載しておきます。

 

2.両親が用意した墓について

 

私は首都圏郊外のマンション住まいで、地域に叔父叔母などの親戚はいません。
また、父母両方の親戚と付き合いは今までほとんどありませんでした。


父は長男ではないため、代々の墓を継ぐという考えはなく、生前に自分用の墓地を購入して外構を完成させていました。


ちなみに、父がその墓を購入した時期が今から約30年前、次男の私が就職して数年後でした。今の私とほぼ同じ年齢です。

今の私は自分の墓のことなど考えていません。父は昭和1桁生まれ、55歳定年だったので、墓のことも考えたのかもしれません。しかし今は65歳定年。10年延びています。自分が墓の事を考えないのは当然でしょうか(と、自分を正当化する)。

 

3.この墓をどうする

 

父が用意した墓地がいよいよ出番となったのですが、自分たちとして、以下のことをどうしていったらよいのかを考える必要がありました。


・墓石を建てなければいけない。費用が発生する。


・墓地の管理費を今後誰かが払い続けなければいけない


・兄はこの墓に入る意思はない。私と妻も同様。

つまり、母がこの墓に入った後に誰も入らなくなる可能性が非常に大きい。


・よって、そのような状態の墓を、将来私の息子(一人)に責任(管理・費用)を継ぐことになるの避けるようにする必要がある。

 

4.結果 永代供養墓にしました

 

私は、「永代供養墓」というものを霊園と契約し、父の遺骨を納めました。
私の契約した所では以下の仕組みとなっています。


・納骨後33年間は骨壺を他の人と共同の保管庫で保管、その後は中身を共通の保管場所に移す。


・墓石の建立は不要。共同のモニュメントが墓石代わりになる。


・そこに入っている人のネームプレートが掲示される。


・費用は夫婦セットで57万円。(母の分も含めた契約。)その後の年間管理費などは不要。


・納骨のときに坊さんのお経を上げてもらうのは任意であった。自分はこれを依頼した。お布施は45,000円(固定額)であった。


・お経をあげてもらう際の祭壇と会場は霊園のものを使用。この費用はかからなかった。


・供物も 自分達で好きなものを用意する。スーパーで見栄えの良い果物を購入するだけ。籠は会場にあった。

終了後、自分たちで持ち帰るように指示があり、坊さんにあげる必要はなかった。
・お経をあげてもらうこと約20分。その後に共同の保管庫に納骨する。ここまでの全行程で 2時間程度であった。


・以上、きわめて現代的な内容であった。

 

5.私の考え

 

父の死後、兄は墓の手配を担当し、私が遺産調査と整理を分担する申し合わせでしたが、兄はここでも何も動きませんでした。


夏に父は亡くなり、いよいよ冬となりました。半年間父の遺骨は実家の仏壇の下に収納されたままであった。


私が動き、永代供養墓を見つけ、兄に提案したが、抵抗を受けました。
しかし、反対はするが代案を出すこともありませんでした。(ここでも兄の兼ね合い。記事番号C001参照)


これ以上長引かせたくなかったので私は半ば強行しました。


母が認知症であること、コロナの影響もあり親戚とのやりとりもないので、この人たちに打診はしませんでした。


母や親戚が知ったら抵抗があっただろうと思います。


しかし実際の負担は私たちが受けるのです。
故人を軽く見るつもりはありませんが、ここでやり方を変えたいと考え実行しました。

 

6.永代供養墓について

 

永代供養墓とは、簡単に言えば、大きな骨壺収納場所においてもらうやり方です。そこには様々な方の骨壺が置かれることになります。契約期間(私の事例では、33年)が経過したら、合祀墓へ移されます。私の事例では、これを選択しました。

※(参考)合祀墓というのを簡単に言えば、骨壺から遺骨を出し、1か所へまとめるやり方です。永代供養墓のようにお骨を一定期間骨壺で安置せず、即座に他の人たちと同じ所に集めてしまうやり方です。

 

永代供養墓にいる方たちのネームプレートを見ると、様々な方がいることがわかります。
戦争中に亡くなったのであろう方たちは、いわゆる「墓じまい」によりここに移ってきたのだろうと思います。


最近亡くなった方は戒名がなく、氏名のみ記載されている方もいます。


若くして亡くなった方もいます。


私の父のように、戒名、氏名が記載されている方もいます。


このように、多彩な方が1か所にいらっしゃいます。


霊園の人の話では、最近は申し込む人が増えたとの事で、最近増設が行われました。

 

墓石代わりのモニュメント前は、線香と花を供える場所は共同なので、花は絶えることがありません。当然掃除もされています。


お墓の考えは様々でしょうが、私はこの選択は良かったと思います。

 

一方、父が手配した墓地は返上し、更地に戻す必要がありました。
そのまま中古物件とはなりませんでした。
更地復帰は霊園指定業者に依頼する必要があり、およそ費用20万円でした。

 

7.お墓業者 ネットでの経験

 

私が契約した永代供養墓は、その霊園が発行した新聞の折り込み広告で知りました。


一方、ネットでも同じものが墓地紹介サイトに掲載されていましたが、あるサイトで私が契約した永代供養墓が安く表示されていたのに気づきました。


理由を電話で問い合わせてみると、あいまいな口調となり、「サイト掲載と実際の金額が異なるならば、実際に現地で言われた金額が正しい」という、いい加減な回答でした。


正直に間違えであると言えばまだ信用でいますが、このような返答では、低い値段で引き寄せる策略と疑ってしまいます。


こんなサイトもあるので業者選びは注意が必要です。ちなみに、そのサイトは、携帯検索でかなり上位でした。

 

8.終わりに


以上書いてみました。従来の墓についての考えを変えた事について、私は後悔していません。

しかし、納骨の読経の時にあった地震は、偶然だったのか、父の意見を表すものだったのか、どちらだったのでしょうか。。

 

おまけ

 

ここで下記の本を紹介させてください。「相続で絶対モメない遺産分割のコツ 言葉・空気・場の読みまちがいが命取り!」という本です。

メインは遺産分割協議についてですが、老親が「亡くなる前にできる事」も書いてあります。将来相続に関わる人の入り口としてお役に立てるものと確信しております。よろしければこちらから。

また、この本を説明した記事もありますので、そちらも参考にしてください。

 

 

※このブログの記事について、読んでいただきたい順番(カテゴリ毎)にリンクを並べたページはこちらです。こちらを起点として各記事をお読み頂くとよいかと思います。

 

nanahei.hatenablog.com